【ガチャさんの冗談音楽シリーズVol5.】
むかし昔、日本に「アリババと15人の盗賊」(アリババ)という奇妙な名前の合唱団がありました。
編曲と指揮をする自称〈冗談音楽家〉の宮島将郎は、幼い頃はNHKラジオの風刺番組「日曜娯楽版」のフアンで、若い頃は日本テレビの幼児教育ギャグ番組「カリキュラマシーン」のディレクターをやり、ステージで演じるものは面白くなければ駄目だと考えていました。
宮島のやるコンサートの演出には次の4つの大切がありました。
1 お客さんを眠らせない。
2 アンコールが終わるまで帰らせない。
3 また来ようと思わせる。
4 芸術でなく芸能をめざす。
この結果、コンサートのお客さんはどんどん増え、コンサートはいつも笑いに包まれていました。
冗談音楽の中心は大作曲家の名曲に滑稽な歌詞を付けた〈名曲替え歌〉です。
曲目解説
『串カツもっと』
昔から、腹が減っては戦はできぬと言いますが、串カツなら空腹を満たすのに最適です。
ネッケ作曲の曲名は「クシコス・ポスト」で郵便馬車の歌です。
つまり歌詞の内容とは無関係です。
でも楽しければいいでしょう?
『天国と地獄』
オッフェンバック作曲のこの序曲を聴くと、舞台に一列に並んだダンサーがスカートをたくし上げ、脚を蹴上げるシーンが目に浮かびますが、「カステラ1番、電話は2番」というコマーシャルソングでも有名です。
替え歌は、してはいけないと知りつつ、若い女に心を傾ける亭主の歌ですが、最後に目が覚めた亭主は「女房が1番、彼女は2番」と歌います。
女房は天国、彼女は地獄。
みなさん気をつけましょう。
『離婚できない行進曲』
結婚式で流れる定番の曲がメンデルスゾーンの「結婚行進曲」ですが、あの曲に乗って結婚した夫婦のすべてが一生幸せではありません。
人間はいつの間にか飽きちゃうのですね。
まるで夫婦じゃないみたいになった夫婦の亭主が、若い頃の女房との思い出に浸って我に帰るという替え歌を楽しんでください。
(
宮島 将郎)