【ガチャさんの冗談音楽シリーズVol3.】
むかし昔、日本に「アリババと15人の盗賊」(アリババ)という奇妙な名前の合唱団がありました。
編曲と指揮をする自称〈冗談音楽家〉の宮島将郎は、幼い頃はNHKラジオの風刺番組「日曜娯楽版」のフアンで、若い頃は日本テレビの幼児教育ギャグ番組「カリキュラマシーン」のディレクターをやり、ステージで演じるものは面白くなければ駄目だと考えていました。
宮島のやるコンサートの演出には次の4つの大切がありました。
1 お客さんを眠らせない。
2 アンコールが終わるまで帰らせない。
3 また来ようと思わせる。
4 芸術でなく芸能をめざす。
この結果、コンサートのお客さんはどんどん増え、コンサートはいつも笑いに包まれていました。
冗談音楽の中心は大作曲家の名曲に滑稽な歌詞を付けた〈名曲替え歌〉です。
曲目解説
『交響曲<無反省>』
誰にも覚えがあるのは、自分の無反省な振る舞い。
サラリーマン時代はおとなしかったのに会社を辞めればこの世は天国です。
朝寝、朝酒、朝湯のやりたい放題。
シューベルトが言う通り、人間は未完成、いや無反省なのです。
『不景気兵序曲』
陽気なファンファーレに乗って登場するのは軽騎兵ならぬ不景気兵です。
え、くだらない駄洒落?
当たり!
原曲の「軽騎兵序曲」を作曲したスッペもそう言ってます。
でも、歌の主人公は最後に努力を誓うので許してください。
『寝れナーデ』
恋人が窓の下で甘く歌うセレナーデを聴きながら姫君が眠るのはシューベルトの時代の話。
現代の姫君はとなりで寝てる亭主のイビキがうるさくて眠れません。
だから曲名は「寝れナーデ」です。
頭に来た姫君は亭主を怒鳴りつけ、怒鳴られた亭主はいっそのこと離婚しようかと思いますが、若い頃の姫君の可愛らしさを思い出して離婚を思い留まります。
やがて平和な寝室に穏やかなイビキのセレナーデが静かに流れます。
?ググググググ、ググググググ・・・?
(
宮島 将郎)