【グレード3.5】打楽器四重奏
使用楽器:ヴィブラフォン、マリンバ(4オクターブで演奏可能)、グロッケン、ティンパニ、サスペンドシンバル、コンガ、ウィンドチャイム
この曲はアンサンブルコンテスト用に作曲した委嘱作品で、「鍵盤中心の奏者が2人と太鼓中心の奏者が2人の、激しく切ない曲を」というリクエストから構想を練りました。少ない楽器や小さいマリンバでも演奏できるように配慮しています。
音楽は「竜騎姫の祈り」というタイトルに沿う架空の物語を表現しています。
昔々、とある国に、幼少より竜に好かれ、竜と言葉を交わすことのできる姫様がおりました。王宮の庭でいつも仲の良い竜たちと無邪気に遊ぶ姿は、人から人へと語り継がれ、多くの国民の癒しと誇りとなっています。
心優しく育った姫様は世界の平和を祈り、しかし国は大きな戦争へと巻き込まれ隣国に攻められてしまいます。あわや国も終わりという混乱の時、舞い上がる風の音に兵士たちが目にしたのは、巨大な竜の背に乗り戦場を駆ける一人の少女の姿と、その頬を伝う涙でした…。
曲は穏やかな前奏から始まり、激しい「戦い」と悲痛な「祈り」をイメージしたテーマにより構成されています。ヴィブラフォンが主となるメロディを担当しますが、マリンバやグロッケンへのメロディの受け渡し、ティンパニやドラムのソロ、5拍子と6拍子の変化、など目まぐるしいアンサンブルです。打楽器らしく派手に、そして美しく、歌い上げてください。
(
嶋崎 雄斗)