【グレード6】鍵盤打楽器三重奏<マリンバ(A-C)、ヴィブラフォン、グロッケン>
「世界の創造は神々の遊びである」といった思想からインスピレーションを得て、3重奏を作曲しました。神々が小さなかけらを積み上げていき、次第にひとつの集合体を形成すると、そのピースたちが自由意思を持って動き回りこの世界ができた…という概念です。
曲は楽器をこの思想の「かけら」に見立て、短い音列のピースが少しずつ重なり合うところから始まります。空間が音列のピースでいっぱいになると、それぞれの楽器が浮いたり沈んだりしながらいろいろな様子へと変わっていき、曲として成立していきます。幻想的な和音に包まれ、最後はピースで飽和した空間が破裂し、世界の始まりをもって曲が終わります。
マリンバとヴィブラフォンはどちらも4本マレットを使用し、グロッケンは2本マレットですがサスペンドシンバルとの素早いマレットの持ち替えが必要となります。また、冒頭の音列が増えていく箇所や、転換や最後に使われている細かいリズムのかけ合いなどがあり、アンサンブルとしても難易度の高い作品です。その分、完成した時の喜びと一体感は素晴らしいでしょう。
(
嶋崎 雄斗)